三木谷氏の発言
2022年2月14日の連結決算発表で、楽天グループは1338億円の赤字を発表しました。前年は1141億円の赤字を計上しており、過去最大の赤字となっています。
その発表の際に、社長である三木谷氏は非常に興味深い発言をしています。
・楽天証券のポイントを還元し過ぎている
・顧客の中には利益貢献しないユーザーがいる
・ポイントのコストが70~80億円かかっている
・これを見直す必要がある
要約すると、このようになります。ズバリ言ってしまうと、三木谷氏は楽天証券のポイント付与について積極的に見直していくといことです。これは、楽天証券だけではなく、楽天グループ全体でも言えることかもしれません。
今回は、楽天グループのポイント付与と企業の状況について考えてみたいと思います。
楽天グループ
楽天グループは2000年のジャスダック上場以来、目覚ましい成長を遂げてきました。現在は東証一部に上場しており、資本金は2,000億円を超えています。
・楽天市場
・楽天証券
・楽天モバイル
・楽天カード
・楽天銀行
私自身もこのような楽天グループのサービスを使っており、生活になくてはならないものとなっています。
そして、楽天グループの提供するサービスで最も優れているのはポイント付与です。私は書籍やゲームを購入する時は、楽天ブックスを利用することが多いです。ポイントが付くからですね。
・Amazon
・楽天ブックス
・ヨドバシドットコム
ゲームを購入する時は、これらを比較して購入するようにしています。販売価格はAmazonの方が安くても、ポイントを含めると楽天ブックスの方が安い場合、楽天ブックスで購入することになります。
しかし、ポイント付与が無くなれば、楽天ブックスを利用するかと言えば、そうではなくなってしまいます。
楽天グループはポイントが命
楽天グループがここまで大きく発展して、多くの人の生活に根付いている最も大きな要因はポイント付与です。
・サービスが優れている
・インターネットページの操作性が優れている
・企業のイメージがよい
このようなことは二の次だと言うのが私の印象です。あくまでも、ポイント付与が他社と比較すると、大きく優れているから利用しているユーザーが多いということです。
仮に、楽天グループがポイント付与を他社と同水準にすればどうなるかを考えると、私自身は楽天グループのサービスをそれほど利用しなくなると考えています。
・楽天ブックスでポイントが付かなくなる
このようなことになれば、書籍などは実店舗の本屋やAmazonで購入する機会が増えることは間違いありません。恐れを承知で言ってしまえば、楽天グループのサービスに魅力を感じてはいないが、ポイント付与があるから使っている、ということです。
このようなユーザーは少なくないというのが私の印象です。楽天証券のポイント改正に伴って、SBI証券に投信を移管する手続きが1カ月以上かかるということからも、ポイント付与のサービスが低下すれば、離れて行くユーザーは少なくないと考えることができますね。
YOHの考え
今回の三木谷氏の発言は楽天証券に対する発言です。
・投信を購入してすぐに売ってポイントだけを得る
このようなユーザーが一定数いることに不満を抱いているということから来るものですね。そして、このようなポイントだけを得る行為は他の楽天グループのサービスでも見受けられます。
・楽天ポイントせどり
・楽天カードを発行してすぐに解約する
このようなことで、三木谷氏の意にそぐわない形で楽天グループのサービスを使われているということです。しかし、これは非常に難しい問題です。
・楽天ポイント付与を縮小する
・楽天ポイント付与の条件を引き上げる
このようなことをすれば、楽天グループのサービスを使っているユーザーは離れていく可能性が高いからですね。楽天グループのサービス自体が他の企業のサービスと比較して、特段優れているわけではないからです。
・SBI証券
・Amazon
個人の感覚やインターフェースとの相性にもよりますが、私は楽天グループよりも、この2社のサービスの方が使いやすいと感じています。しかし、楽天証券で積立投資を行っていますし、買い物は楽天市場が最も多いと感じています。
その理由はポイント付与によるところが非常に大きいということです。楽天証券が今後どのようにポイント付与を見直すのかはわかりません。しかし、その舵取りを誤ってしまえば、楽天グループのサービスを使う方は減ってしまうと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
楽天証券のポイント付与についてはこちらです。SBI証券と同じ0.5%ですね。
ポイント付与に関してはマネックス証券が優れています。
ポイント利回りは重視する内容ではありません。実際の利回りが低すぎるからですね。