人生の3大支出
・住宅資金
・教育資金
・老後資金
これらは人生の3大支出と言われています。この中である程度計算できるのが老後資金ですね。住宅資金は住宅購入して住み続けるのなら、バチっと計算できるのですが、人生何が起こるかわかりません。
・賃貸派だったが、一戸建てを購入
・一戸建てを購入したが、売却して賃貸住宅にした
このようなことは、よくあることですね。自分の収入状況や家族の状況で適切な住宅事情は変わってきます。賃貸住宅、マイホームでかかる金額が大きく異なります。
また、教育資金も予測することができません。
・小学校から私学
・私立医学部へ進学
・仕送り
教育資金は非常に幅がありますね。全て国公立で大学進学するのが一般的には最も安いですが、仕送りを含めると1人500~1,000万円は見ておく必要があります。私立の場合は青天井ですね。私立医学部の場合、1人5,000万円では足りないかもしれません。
また、こどもがいない世帯も増加しており、そういった世帯では教育資金を捻出することは考えなくてよいですね。世帯の状況によって非常に幅があるのが、教育資金です。
老後資金
人生の3大支出で最も計算しやすいのが老後資金です。
・収入
・支出
・貯蓄
この3点が老後を迎える前にきちっと計算することができるからです。サラリーマン・公務員にとっては、収入の柱は年金、支出は基礎生活費+贅沢費になります。これを勘案して、足りない額を退職前に作っておけばよいということですね。
支出が50,000円上回っていることが30年続くケースを想定しているのが老後2,000万円問題です。ザックリとした想定ですが、平均寿命と支出のモデルケースとして知っておいてよいでしょう。
老後資金は9,000万円
老後資金は保守的に、多くのお金が必要と見積もって考えるのがよいですね。私の場合は9,000万円と考えています。
・300万円(年間支出)×30年(寿命が95歳)=9,000万円
もちろん、このとおりには行かないですが、これが老後資金を考えるベースになります。9,000万円のうち、年金で賄われるのは6,480万円です。
・18万円(世帯での月の年金受給額)×12カ月×30年=6,480万円。
老後に足りなくなるお金は2,520万円です。これを65歳を迎えるまでに捻出する必要があるということです。
老後資金の捻出方法
効率の良い老後資金の捻出方法は限られています。
・貯蓄
・つみたてNISA
・iDeCo
この3つで老後資金を捻出するのが最も効率がよいですね。
・住宅
・退職金
このあたりは不確定な要素が非常に大きいので、老後資金として考えるのは危険が伴います。しっかりとした額が計算できないからですね。住宅は自然災害や地価の下落リスクが常に伴います。退職金は多くの場合、現在と同水準でもらえることはなく、計算できるものではありません。
・つみたてNISA 1,000万円(20年間)
・iDeCo 800万円(30年間)
私は、つみたてNISAとiDeCoは65歳時点でこのような資産規模になると考えています。
・2520万円(老後資金)-1,800万円(つみたてNISAとiDeCo)=720万円
足りない720万円は貯蓄で賄う必要があるということです。この金額以上を貯蓄していれば、老後は問題ないと考えています。
老後資金に心配が無いと安心感がある
もちろん、つみたてNISAとiDeCoはどのようになるかわかりません。リスクのある金融商品なので、積み立て額を下回ることも十分に考えられるからですね。それでも、65歳を迎える時点で貯蓄が1,500万円あれば、年金と合わせて慎ましく生活することは十分できるでしょう。
私の人生の選択肢に定年退職後に働くことは入っていません。
・仕事が嫌にならないまで働く
・年金は繰り下げ受給を検討(75歳から受給)
・健康に気を遣う
このようなことを考慮すれば、老後資金の問題はすでに解決しています。人生の3大支出の1つを解決していることは、人生において大きなアドバンテージになります。
・老後の生活が想像できる
・盲目的に金銭を追い求める必要がない
このようなことは、仕事やプライベートに影響します。心に余裕ができるということですね。もちろん、人生は計画どおりには行きません。
・病気
・世帯の崩壊
・親の介護
様々な障害が人生にはあります。しかし、老後資金問題が解決できていれば、障害にしっかりと向き合うことができるのです。人生お金が全てでは無いことは間違いないですが、お金で解決できることが多いのもまた、人生なのです。