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【実際の目安は5,200万円】老後にどれだけのリスク資産を用意して取り崩していけばよいか

資産運用の目的は老後生活の資金

 資産運用をしている方の目的は様々ですが、私が資産運用をしている一番の目的は老後資金の捻出です。

 ・今の暮らしを豊かにしたい

 ・FIREしたい

 このような目的で資産運用をしていないということです。

 ・少子高齢化

 ・社会保険料の増加

 ・年金制度の改正

 このようなことを勘案した場合、年金受給だけで老後生活を送ることに不安があるため、その不安を解消するために資産運用をしているということです。

 そして、老後資金の捻出のために資産運用をしていると考えておかないといけないのが、「実際にどれだけのリスク資産を用意しておけばよいのか」ということです。

 ある程度の目安が無いと、やみくもにリスク資産を増加させることに注力してしまうことになるからですね。

 DIE WITH ZEROとまではいかないまでも、多くのお金を残して余命を全うするよりも、ある程度使っておきたいということです。

 そのためには、老後生活の金銭的な部分に目安をつけておく必要があります。

 ・老後にどれだけのリスク資産を用意しておけばよいか

 ・年間どれだけ取り崩して生活していけばよいか

 今回は、老後生活の金銭的な目安についてこの2点を中心に考えてみたいと思います。

老後にどれだけのリスク資産を用意しておけばよいか

 老後にどれだけの資産を用意しておけばよいか、ということの一例が老後2,000万円問題ですね。

 ・月20万円の年金受給(夫は40年間厚生年金に加入、妻は専業主婦)

 ・月25万円の支出(夫、妻の2人世帯)

 ・30年間生きると1,800万円、それ以上生きると2,000万円が老後資金として不足する

 このケースを想定しているのが老後2,000万円問題です。

 あくまでも、厚生労働省が出しているモデルケース世帯を対象としているので、不足する金額は個々によって大きく異なりますが、おおよその目安になる数字として知っておいてよいですね。

 しかし、実際には各個人によって必要な資産額というのは大きく変わります。そして、現時点では必要な資産額をきっちりと計算することができません。

 ・年金受給金額

 ・年金受給開始年齢

 ・支出の状況

 ・何歳まで生きるか

 このような算出に必要な数字が不確定だからですね。

 そのため、「老後にどれだけの資金を用意しておけばよいか」ということに対しては、年金受給金額に関しては最低金額、支出に関してはかなり保守的に見積もっておく必要があるということです。

 ・年金受給の最低金額

 ・支出の最高金額

 この2つについて確認していきます。

年金受給の最低金額

 年金に関しては、制度崩壊して受給できないと考えておられる方もいるでしょうが、私自身はそのようには考えていません。

 ・年金受給開始年齢は引き上げられる(70歳~75歳)

 ・年金受給金額は減少する(厚生年金40年間加入で月9~12万円)

 これぐらいの水準になると考えています。そのため、75歳から月15万円受給(夫は厚生年金9万円、妻は国民年金6万円)ほどになると考える必要があります。

 ・月15万円(年間180万円)

 ・90歳まで受給(15年間)

 ・受給総額 2700万円

 生涯で受給することができる金額としては保守的に見て2700万円ほどと考えておいてよいですね。

支出の最高金額

 支出に関しては、退職後の支出を考える必要があるので、60歳を起点として考えて行きます。

 多くの場合、60歳(老後生活)に入ると働いている時よりも支出は減少すると考えてよいですね。

 ・お金のかかるライフイベントを終えている

 ・生活自体がコンパクトになる

 老後生活にはこのような特徴があるからですね。

出典 

統計局ホームページ/家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) 家計の概要

 総務省統計局が出している令和3年の家計調査年報によると、60~69歳の2人世帯の平均月支出額は28.8万円、70歳以上であれば22.6万円となっています。

 このような数字から考えると、60歳から月平均で25万円ほどを見ておく必要がありますね。

 ・月25万円(年間300万円)

 ・30年間(9000万円)

 90歳まで生きるケースを考えれば老後生活には9000万円が必要ということになります。

 ・年金受給金額 2700万円

 ・老後生活に必要な生活費 9000万円

 ・老後に必要な金額(差額) 6300万円

 このように考えると、60歳から老後生活を送って90歳まで生きると考えた場合、6300万円を用意しておく必要があるということです。

 これはかなり難しい金額ですね。

 しかし、この6300万円という金額は60歳から75歳まではキャッシュフローが無し、75歳からのキャッシュフローは年金だけという状況です。

 60歳以降も築いた資産によるキャッシュフローがある場合、必要資産額はもっと少なくて済むということです。

 それを計算するには、「年間どれだけ取り崩して生活すればよいか」を考える必要があります。

年間どれだけ取り崩して生活すればよいか

 資産運用で築いた資産をどれだけ取り崩して生活すればよいのか、ということはそれほど難しく考える必要はないですね。

 ・60歳から75歳まで 月25万円(年間300万円)

 ・75歳から90歳まで 月15万円(年間180万円)

 75歳からの年金受給金額(年間120万円)考慮すると、これだけを取り崩して生活すると考えればよいということです。

 まずは、年金受給前の60歳から74歳までのお金について考えてみると以下のようになりますね。

 リスク資産の年利を4%として考えると、年間300万円ずつ取り崩した場合、3500万円のリスク資産を用意しておけば、74歳終了時点で53万円残ることになります。

 複利の力によって、1000万円以上を捻出しているということですね。

 次に、75歳以降のお金について確認していきます。

 75歳以降は年金によって、リスク資産の配当金に180万円のキャッシュフローが追加されることになります。

 リスク資産を年間300万円ずつ取り崩して年金を180万円受給するということを考えると、75歳時点で1700万円あれば90歳時点で118万円が残ることになります。

 数字を整理すると以下のようになります。

 ・老後の生活費は年間300万円

 ・老後生活は30年間(60歳から90歳)

 ・年金受給金額は夫婦で月15万円

 ・60歳から74歳の間の必要リスク資産は3500万円

 ・75歳から90歳までの必要リスク資産は1700万円

 このように、段階ごとに分けて考えると、合計で5200万円用意しておく必要があるということです。

 ※実際に60歳時点で5200万円あれば、60歳から74歳までのリスク資産によるキャッシュフローが多くなるので、75歳から90歳までに用意する金額は1700万円よりも少なくなります。

老後を快適に過ごすためにはある程度のリスク資産が必要不可欠

YOHの考え

 今回は老後にどれだけのリスク資産が必要かということについて考えてみました。

 ・年金受給金額が夫婦で月15万円

 ・年金受給開始年齢が75歳から

 ・月の生活費が25万円

 ・90歳まで生きる

 このようなケースを想定した場合、5200万円ほどのリスク資産を用意しておく必要があるという結果になりました。

 ここに、安全資産の現金を持っておくことを考えると、老後生活に万全を期すのであれば、1億円、少なくとも7000万円は準備しておく必要があるということです。

 もちろん、全てのケースでこの金額が当てはまるわけではないですね。むしろ、ここまでの金額が必要ないケースというのは多々あります。

 ・夫婦で厚生年金を受給する場合

 ・年間生活費に300万円もかからない

 ・60歳以降も働き続ける

 このようなことによって、必要な金額を下げることができるからですね。

 実際に、定年年齢は段階的に引き上げられていることを考えると、働いて一定のキャッシュフローを確保し続けることができれば用意するリスク資産の必要額は大きく下がります。

 このように考えると、老後生活で最も重要視されるのは節約と健康だということです。

 ・節約によって、年間生活費を大きく下げることができる

 ・健康で60歳以降も元気に働くことができる

 このようなことは、大きなリスク資産以上に価値があることだということです。

 しかし、最もよいのは老後生活に入る時点で資産、節約、健康の全てを持っていることです。

 そして、資産の目安というのがリスク資産5200万円、生活費300万円という金額です。

 これだけのリスク資産があれば、自分自身の老後生活をどのように過ごすのか選択できるということです。

 ・働いてもよいし、働かなくてもよい

 このような選択肢はお金が無ければできないということです。お金が無ければ健康を害してでも働かなければならない、というような選択しかない可能性があるということです。

 そのようにならないためには、ある程度の目安を持って、リスク資産を形成していく必要があると、私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 老後2,000万円問題というのは、貯金だけで解決することができます。

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