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【本日から販売開始】eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンドは投資対象になり得るか

eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンド

 2023年1月12日に三菱UFJ投信株式会社から新たな投資信託として、「eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンド」が販売されることになります。

 このファンドはS&P500クオリティ高配当指数に連動することを投資目標して運用を行います。

 S&P500クオリティ高配当指数をベンチマークとするETFにQDIVがありますが、それの投資信託バージョンですね。

 米国株式指数として非常に有名なのはS&P500ですが、S&P500クオリティ高配当指数はS&P500とは特性が大きく異なっています。

 ・S&P500クオリティ高配当指数とは

 ・eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンドの特徴

 ・eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンドは投資対象となり得るか

 今回はこの3点について触れてみたいと思います。

S&P500クオリティ高配当指数とは

 S&P500クオリティ高配当指数とは、金利低下などの市場局面において安定したインカムを確保することを目的としている指数です。

 ・クオリティ・スコア(収益や財務状況)、配当利回りに基づいて銘柄を選定

 ・構成銘柄はS&P500の中から上位200位以内にランク付けされるもの

 ・構成銘柄を均等加重

 このような特徴があるのがS&P500クオリティ高配当指数です。

出典 S&PダウジョーンズインデックスLLC

 構成銘柄については、このような形で選定されることになります。

 原則として、両方の条件を満たした銘柄で構成されることになるので、構成銘柄は200よりも少なくなると考えておいてよいですね。

 S&P500クオリティ高配当指数をベンチマークとしているETFにQDIVがあり、77銘柄で構成されています。

 ・金融 26%

 ・資本財 13%

 ・生活必需品 13%

 構成銘柄の上位を確認するとこのようになっています。S&P500は情報技術とヘルスケアで40%以上を占めていることを考えると、S&P500クオリティ高配当指数はS&P500とは全く異なった指数と考えておいてよいですね。

出典 Googlefinance

 QDIV(S&P500クオリティ高配当指数)の昨年のチャートをVOO(S&P500)と比較すると、上のグラフからわかるとおり、VOOをアウトパフォームしていることがわかります。

 これは、QDIV(S&P500クオリティ高配当指数)にはディフェンシブな銘柄が多いことが大きな理由ですね。

 そのため、S&P500クオリティ高配当指数は下落局面においては、S&P500よりもよいパフォーマンスを安定的に出すことができるということです。

eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンドの特徴

 このような下落局面に強い特徴を持つS&P500クオリティ高配当インデックスをベンチマークとしているのが、「eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンド」です。

 ・設定日 2023年1月12日

 ・信託報酬 0.33%程度(500億円以上部分は0.319%、1,000億円以上部分は0.308%)

 ・購入時手数料なし

 ・信託財産留保額なし

 ・分配再投資

 ・為替ヘッジなし

 ・取扱い証券会社 SBI証券・マネックス証券。楽天証券

 大まかな情報としてはこのようになっています。

 複雑な仕組みを取っている分、手数料が上がるのは当然と言ってよいですね。

 S&P500をベンチマークとしているeMAXIS Slim S&P500の信託報酬は0.0968%ほどなので、約3倍のランニングコストがかかっているということです。

資産投下の対象なり得るかは人それぞれ。

YOHの考え

 今回は、S&P500クオリティ高配当指数とeMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンドについて触れてみました。

 S&P500クオリティ高配当指数は非常によくできた指数で、一番の強みは下落局面においてS&P500を上回る成果を出すことができることですね。

 そして、ディフェンシブなセクターの比率が多いことから、長期的に見れば、安定的に利益を出してくれる可能性が極めて高い指数です。

 そのため、eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンドは資産投下を検討してもよい投資信託だというのが私の印象です。

 しかし、万人におすすめできる投資信託と考えるとそうではないですね。

 下落局面に強いということは、裏を返せば上昇局面ではそれほど利益を出すことができないということです。

出典 Googlefinance

 過去5年のQDIV(S&P500クオリティ高配当指数)とVOO(S&P500)と比較すると、上のグラフからわかるとおり、VOOの方が暴騰率が高いことがわかります。

 ・下落局面でもある程度利益を出すことができる

 ・上昇局面では利益を取り逃がしてしまう

 S&P500クオリティ高配当指数はS&P500と比較すると、このような特徴があるということです。

 そのため、長期的に利益の最大化を考えている投資家には不向きである可能性があります。

 ・米国株式指数が長期に渡って低調に推移する

 ・S&P500では値動きが多き過ぎる

 このように感じている投資家であれば、eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンドは投資対象として検討する価値がありますね。

 私はeMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンドに資産投下することは考えていません。

 その一番の理由は資産の最大化には不向きだからですね。

 S&P500に資産投下するということは、上昇局面で大きな利益を得る代わりに、下落局面では大きな損失を受け入れる必要があります。

 その下落局面の損失を許容できるからこそ、上昇局面でのリスクプレミアムを得ることができるのですね。

 そのような上下動を繰り返しながら資産拡大させていけばよいと考えているので、下落局面において利益を出す必要性がないということです。

 そのため、私にとってeMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンドは投資対象にはならないということです。

 そして、もうひとつの理由が為替リスクです。

 S&P500クオリティ高配当指数は下落局面においては、S&P500をアウトパフォームしていますが、これはあくまでもドルベースの話です。

 基軸通貨が円である我々はドル円による為替の影響を受けることになります。

出典 

円高・円安をわかりやすく図で解説!生活に与える影響とお金の守り方|資産形成ゴールドオンライン

 そのため、指数自体は好調であっても為替の影響によってパフォーマンスが下がることは避けることができないということです。

 ・米国企業のパフォーマンスが低調・・・S&P500よりもよいパフォーマンスが期待できる

 ・円高によってパフォーマンスが落ちる・・・S&P500と同様にパフォーマンスは下がる

 このようになることを頭に入れておく必要あるということです。 

 しかし、eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスファンド自体は優れた投資信託であることに間違いはありません。

 自分にとって適切かどうかは個々の状況によって変わります。

 自分に合っていると判断できるのであれば、資産投下してもよい投資信託だと私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 S&P500クオリティ高配当指数と似た指数にS&P500配当貴族指数がありますね。こちらについても、知っておいてよいですね。

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