脳卒中とは
救急隊の主な仕事は救急活動ですが、その全てが緊急性の高い事案ではありません。
・こけて突き指をした
・お酒を飲んで気持ち悪い
・何となくしんどい
このような事案も少なからずあります。しかし、緊急度、重症度ともに高い事案も少なくありません。その、緊急度、重症度共に高い疾患として挙げられる中のひとつが脳卒中です。
脳卒中とは、ザックリと言ってしまえば、脳の血管に血流障害が起きて、脳に血液が届かなくなり、脳機能障害を起こす疾患です。
現在は、日本の死亡原因の第4位ですが、過去には第1位として国民病と言われていた時期もありました。死因として低くなった大きな要因が医療技術の進歩ですね。
しかし、一度発症してしまうと、日常生活に大きな支障をきたしてしまう可能性がある病気です。
・脳出血
・脳梗塞
・一過性脳虚血発作
・くも膜下出血
脳卒中は大きく分けてこの4つに分類されます。
症状としては、言葉がしゃべりにくい、手足の痺れ、意識障害、頭痛、眩暈など様々な症状が起こります。救急では傷病者に容態や症状、バイタルサインを確認して脳卒中と判断すれば、脳外科対応の病院へ搬送することになります。
脳出血と脳梗塞
脳出血と脳梗塞は発症すれば同じような症状が出ますが、脳内で起こっていることは全く違います。
脳出血とは、脳の血管が破裂したり裂けたりして脳内に出血することです。出血した血液が固まることによって、他の脳血管や脳細胞が圧迫されることによって、口語障害や四肢麻痺などが発症します。
一方で脳梗塞は、脳の血管が詰まることによって、脳に血液が行かなくなるため、脳虚血を引き起こす疾患です。
脳出血は血を止める治療、脳梗塞は血を流す治療が必要となります。
救急隊は判別することが難しい
救急の場合、119番通報時点で外傷エピソードなどが無いにも関わらず、眩暈や吐き気、頭痛などがあれば脳卒中を疑って現場に向かいますが、実際に傷病者に接触して観察しても、脳出血か脳梗塞かを判別することは非常に困難です。
・激しい頭痛
・嘔吐
・麻痺
・血圧上昇
・共瞳偏視
このような症状は脳出血、脳梗塞どちらでも出現するからですね。脳出血か脳梗塞かをしっかりと判別するなら、病院でのCTやMRIの検査が必要不可欠だということです。
判断できないことは判断する必要はない
救急隊であるにも関わらず脳出血か脳梗塞かの判断できないのは、救急医療として不適切かと思われるかもしれませんが、そうではありません。
脳出血でも脳梗塞でも搬送するべき病院、救急隊の処置内容に違いが生じるわけではないからですね。違いが生じるのは病院で傷病名が確定してからの処置内容です。
脳出血か脳梗塞の判別はできないけど、脳卒中であることは間違いない。するべきことが同じであれば、ここまでの判別でよいのです。もっと言ってしまえば、脳卒中かどうかの判断すら不要である場合が多いですね。
・主訴(頭が痛い、吐き気がするなど)
・意識レベル
・バイタルサイン
・既往歴
救急隊は、このようなことを病院に伝えて、後はどのように判断するかは病院次第だということです。
・その状態であれば脳卒中が疑われるので、うちの脳外科で対応します
このようなことを判断するのは病院側だということです。そして、傷病者の状態を悪化させることなく迅速に脳外科対応の病院へ搬送することが、救急隊が市民サービスとして求められていることなのです。
詳細な鑑別は設備の整った病院で医師が行うことなのですね。もちろん、救急隊が脳卒中の判別できればいいことに間違いはありません。しかし、脳出血か脳梗塞を判別するために病院搬送に時間がかかりました、というのは、プロの仕事ではないということです。
長期投資でも同じことであるということ
すべきことが同じであれば、ある程度の判別でよいというのは、長期投資でも同じです。しかし、長期投資をしている投資家の中にも、頻繁に相場の動きを気にする方がいます。
・今週は下げ局面だから買わない方がいい
・しばらくボックス相場が続くから様子を見ておいた方がいい
このような形で様々な情報から相場の状態を判別しようとします。短期的な株式投資であれば、ある程度の予測は必要です。その予測によって、自分の資産に対する行動が変わるからですね。
しかし、長期投資においては、頻繁に相場の動きを気にすることに意味はありません。短期的に相場が上がろうが下がろうが、自分の資産に対する行動に変化が無いからですね。
・世界的に見て人口は増加している
・世界的に貧富の差は無くなってきている
・世界的に見て生活レベルは上がっている
このようなことから、世界経済は右肩上がりである。そして、世界経済の中心にいるアメリカ経済も右肩上がりである。これだけを判別できていればよいのということです。
判別しても意味のないことに時間をかけてもしょうがないのです。それよりも、大きな判別をして自分の資産を増やしていくべきだと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
投資の格言に「休むも相場」というものがあります。これは長期投資においては当てはまらない場合がありますね。
長期投資を継続させるためには、しっかりとした動機や目標が必要です。曖昧なものでは不十分ですね。
救急の仕事については、こちらでも記事にしています。