ふるさと納税
ふるさと納税は非常に使い勝手のよいサービスで、資産形成においては欠かすないほどお得ですね。
・自分の自治体に納める住民税を他の自治体に納める
・他の自治体に納めたお礼として地域の特産品などの返礼品がもらえる
ふるさと納税とはこのようなサービスで非常に有効な節税手段のひとつです。そして、ふるさと納税をする際に多くの方が利用するのがふるさと納税のポータルサイトです。
・さとふる
・ふるナビ
・ふるさとチョイス
・楽天市場
ふるさと納税は直接自治体に申し込んでもよいのですが、どの自治体がどのような返礼品を出しているのかを個別に調べるには非常に手間がかかります。しかし、このようなポータルサイトを使えばすぐに調べて比較することができるのですね。
そして、各ポータルサイトは独自のサービスを打ち出しています。
・優れた検索機能
・一読性のあるサイト
・ポイント還元
主にはこのようなことで各ポータルサイトは他のポータルサイトとの差別化を図っています。そのため、利用者は各ふるさと納税ポータルサイトを比較して、自分に最も適したポータルサイトからふるさと納税を行うように選択できるということです。
独自のサービスを打ち出しているふるさと納税ポータルサイトは年々増加しています。
そして、2022年6月8日にリリースされた「キャッシュふる」というふるさと納税ポータルサイトは現金をキャッシュバックするというサービスを打ち出していることで大きな話題となっています。
キャッシュふる
キャッシュふるは6月8日に株式会社DEPARTUREからリリースされました。
キャッシュふるが他のふるさと納税ポータルサイトと異なっている点は「返礼品の代わりに現金がキャッシュバックされる」ことです。その金額は20%です。
年収500万円(独身)の場合、ふるさと納税できる額は6万円ほどです。
・6万円 × 20% = 1.2万円のキャッシュバック
キャシュふるを使えばこれだけの金額を返礼品の代わりに受け取れるということです。そして、寄付した額の寄付控除を受けることもできるということです。
キャッシュふるの仕組み
キャッシュふるの仕組みとしては、返礼品受益権の中継販売です。
・返礼品の代わりに現金が欲しい人
・自治体
・返礼品を欲しい人
この3者を仲介するふるさと納税ポータルサイトということです。
ふるさと納税は返礼品の金額割合が仕入れ値の30%と決まっています。これは、自治体間による過度なふるさと納税の返礼品競争を無くすためですね。
・Amazonギフト券
・商品券
・仕入れ値割合が100%の商品
過去に自治体間の競争が過熱し過ぎてこのような返礼品が登場したため、総務省が一定の基準を設けたということです。そのため、多くの自治体では返礼品のお得感を出すために仕入れ値の30%ギリギリの返礼品を用意しています。
・仕入れ値30%の地域特産品
・現金20%のキャッシュバック
この中間の利ザヤを上手く利用する仕組みを取っているのがキャッシュふるの仕組みです。
※総務省が規制しているのはあくまでも仕入れ値です。そのため、市場で8,000円で売られているものが1万円の寄付額でもらえる、ということはありふれています。
YOHの考え
キャッシュふるはビジネスモデルとしては優秀なものだと感じます。その理由は三方よしのビジネスだからですね。
ふるさと納税をする場合、多くの方は自治体に直接寄付控除申請を行うのではなく、ふるさと納税ポータルサイトを利用します。当然ながら、ふるさと納税ポータルサイトは自治体から手数料をもらっています。その手数料は10%ほどだと言われています。
自治体としては直接寄付をして欲しいというのが本音です。しかし、それでは寄付が集まらないから、仕方なくふるさと納税ポータルサイトを使っているということです。
ふるさと納税で一躍話題になった大阪府泉佐野市などは、独自でふるさと納税サイトを運営して寄付を集めていますが、このような自治体は例外といってよいということです。
しかし、キャシュふるは集めたお金を直接自治体に寄付することができるということです。キャッシュバックの20%と返礼品が欲しい人との利ザヤで収益を上げる仕組みを取っているからです。
・返礼品がいらない人 → 現金がキャッシュバックされる
・返礼品欲しい人 → 返礼品が安く手に入る
・自治体 → ポータルサイトの手数料がなくなる
このような三方よしのビジネスだということです。しかし、キャッシュふるの現金還元はふるさと納税の主旨から大きく外れており、サービスを続けることができるかは疑問が残ります。
この記事からわかるとおり、いきなりトラブルを起こしていることからも順風満帆な滑り出しとは言い難い状況です。
私の印象では、キャッシュふるを利用するのに適しているのは、寄付控除額が桁外れに大きい高所得者ですね。
・年収2,000万円以上
・寄付控除額 50万円以上
このような方はキャッシュふるを使うことに適していますね。寄付による返礼品が多すぎるからですね。
・お米
・肉
・日用品
ふるさと納税の返礼品で人気があるのはこのような生活に必要なものです。そのため、寄付控除額が多すぎると、それだけで年間の生活必需品を賄えることになり、返礼品として選択するものが無くなってしまうということです。
・選ぶ手間
・時間
金額が桁外れに大きければこのようなものもかかります。そんな高所得者であれば、返礼品の代わりにとりあえず現金をもらっておこう、という使い方ができるということです。
・平均的な年収
・寄付控除額が10万円以下
このような場合、日用品や普段買わないようなちょっとした贅沢品をふるさと納税の返礼品でもらうだけで寄付控除額に達してしまいます。このような世帯では寄付控除額の20%の現金よりも返礼品の方がありがたいというケースの方が多いということです。そして、選ぶことにも楽しみがありますね。
キャッシュふる自体は優れたサービスではあるが、会社員や公務員世帯では使いどころが難しい、というのが私の考えです。ご覧いただきありがとうございました。
ふるさと納税の控除についてはこちらで記事にしています。ふるさと納税の仕組みへの理解は必要ですね。
ふるさと納税をした翌年は住民税決定通知書を確認しておく必要があります。ふるさと納税の住民税はミスが起きやすい仕組みとなっています。
ふるさと納税などの話題を職場ですることは場合によっては難しいですね。お金の話がタブーである職場も多々あります。