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【讀賣新聞オンライン】公務員の住居・通勤手当の不正受給について

2月23日の讀賣新聞オンラインの記事

 2月23日の讀賣新聞オンラインにこのような記事が掲載されていました。

news.yahoo.co.jp

 市役所職員が住居手当と通勤手当を不正受給していたという内容です。

 ・通勤場所から離れた賃貸住宅に住んでいたが、勤務地近くに持ち家を購入

 ・届出を偽造して賃貸住宅に住んでいることを装い、住居手当と通勤手当を受給

 ・賃貸住宅が取り壊されていることを上司が気付く

 ・住居費と通勤手当の不正受給が発覚

 ・職員は不正受給額を全額返納して依願退職

 記事をまとめるとこのようなことになります。このような事件は程度の差こそあれ、毎年のようにどこかの自治体で起こっています。

 今回は、この記事のような公務員の住居手当・通勤手当の不正受給について考えてみたいと思います。

住居手当

 公務員は賃貸住宅に住んでいる場合、住居手当が支給されます。その金額は法律によって決められています。

 ・国家公務員 国家公務員法 一般職の職員の給与に関する法律

 ・地方公務員 地方自治体の条例

 地方公務員の条例は国家公務員法にぶら下がる形で作られていることが多いので、どちらも住宅手当の金額に大きな違いはありません。月に1.6万円~2.8万円が公務員の住宅手当の金額です。

 住宅手当に幅があるのは、住宅費に地域差があるからですね。一般的に同じ条件なら、都市部ほど家賃が高くなるので、住宅手当も多くなります。私は地方都市にすんでいますが、住宅手当は月に2.8万円です。

 住宅手当は自己所有物件や親族が所有している物件では、支給対象外となります。賃貸物件に住んでいる場合のみ支給されることになります。

通勤手当 

 通勤手当は、通勤のために公共機関を利用して、運賃等の負担がある職員や車やバイク、自転車などの交通用具を使用して通勤している職員に対して、通勤に要する経費を補助するために支給される手当です。

 ・電車・バスなどの交通機関は全額支給対象

 ・車やバイク、自転車などは距離に応じて支給

 ・徒歩で通勤している場合は支給されない

 通勤手当については、各自治体の条例や規則などで決められています。通勤手当は実費弁償に近い性質を有しているため、所得税が非課税になっています。(上限15万円まで)

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出典 東京外国語大学 人事労務課HP

 イメージとしてはこのような形になりますね。距離が長くなるほど金額が加算されていくことが一般的です。

不正が起きやすいことは確か

 公務員の立場から言えば、この住居手当と通勤手当は不正受給が起きやすい仕組みであると言えます。

 職場から15キロ離れた賃貸住宅に住んでいた公務員が、職場から5キロ以内に持ち家を購入した場合で考えてみます。

 ・住居手当 2.8万円×12カ月=33.6万円

 ・通勤手当 0.69万円×12カ月=8.28万円(5キロ未満であるのに、15キロで申請)

 ・合計 41.88万円

 それまで手当として支給されていた41.88万円が支給されなくなり、これだけの手取りが減ることになります。これを惜しんで不正受給するということですね。

 住居手当の支給は職場に書類を提出する必要があります。

 ・賃貸借契約書

 ・領収書

 ・住民票の写し

 各自治体によって異なるでしょうが、私の自治体ではこれらを提出する必要があります。

 通勤手当については、自己申告による書類を提出する必要があります。電車やバスなどの公共交通機関の場合は、定期券の写しの添付が必要な場合がありますが、車やバイクなどの場合は距離に関しては完全な自己申告となります。

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出典 らくらくBOSS

不正が起きやすいが、発覚することは間違いない

 住居手当と通勤手当は自己申告のため、申告内容は個人の倫理観に寄るところが非常に大きいのですね。

 ・持ち家を購入したけど、職場に住居変更届を提出しない

 ・通勤距離は5キロ以内だけど、10キロとして申告する

 このようなことができる環境下にあるということです。しかし、現在のネット環境化においては、このような不正受給は遅かれ早かれ必ず発覚すると考えておいてよいですね。

 ・住所を打ち込めば通勤距離が算出される

 ・Googleマップなどの確認

 このようなことが容易にできるからですね。そして、多くの自治体では定期的に住居や通勤手段の確認が行われます。住居に関しては、免許証などを確認すれば、すぐに発覚すると考えて置いておいてよいということです。

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不正受給は間違いなく発覚する。絶対にしてはいけない。

YOHの考え

 ひと昔前までは、このような不正受給が可能だったかもしれませんが、ネット環境が発達している現代においては、不正受給は不可能といってよいですね。どのように取り繕っても、本格的に調査されれば、発覚することは間違いないということです。

 今回の讀賣新聞の記事では住居手当と通勤手当の両方を不正受給しており、賃貸借契約書などを偽装していたことから、非常に悪質です。しかし、懲戒免職(クビ)にはならないというのが、公務員は甘いと世間から言われる所以なのでしょう。

 私も公務員として、通勤手当と住居手当をもらっていますが、これは家計にとって少なくない金額です。

 ・0.41万円×12カ月×40年間=196.8万円

 ・2.8万円×12か月×40年間=1344万円

 ・合計1540.8万円

 定年退職まで通勤手当と住居手当をもらい続けると、1540万円になるのですね。特に住居手当は1344万円と非常に大きな金額です。これがあるのと無いのでは、人生におけるキャッシュフローが大きく変わってきます。

 私は現在、賃貸住宅に住んでいますが、家を持たない理由のひとつがこの住居手当です。持ち家になっていまうと、年間33.6万円のキャッシュフローが無くなってしまうことが非常に大きいのですね。

 しかし、住環境を考えると、戸建ての方がよいことの方が多いように感じます。私のようなこどもがいる世帯では特にそうですね。キャッシュフローと住環境を天秤にかけて、態度を保留しているというのが現在の状況です。

 持ち家を所有しているにも関わらず、住居手当を受給し続ける。このようなことは絶対に許されるべきことではないということです。ご覧いただきありがとうございました。

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