公務員の給料事情
公務員は国家、地方に関わらず給料面で優遇されていると言われています。それは、現在民間企業の給料がなかなか上昇しない不景気だからですね。
・年功序列
・徐々に右肩上がり
・退職金は必ず支給される
このような給料形態は好景気の時も変わりません。そして、好景気の時には民間企業ほど給料が上がることが無いということです。
・好景気の時には恩恵が小さい
・不景気の時には恩恵が大きい
公務員の給料形態はどんなときにも一定の水準が保たれているということです。これは消防士の視点から見ても平等な給料形態と言えますね。
・景気がよくなることと、火災や救急要請の数の相関性は無い
・景気が悪くなったからといって、仕事量の増減があるわけではない
公務員の仕事はこのように、景気に左右されることがないからですね。経済状態に関わらず、常に公益のために一定の成果を出すことが求められているのが公務員の仕事です。
しかし、公務員の給料事情は年々変化しています。ずばり言ってしまえば、悪い方向に向かっているということです。
・手取りが増えない
・手当・時間外勤務のカット
・退職金の減額
・役職定年
公務員の給料事情のトレンドはこの4つです。そして、これらは年が経つごとに、どんどん悪い方向へ進んでいます。
今回は公務員の金銭事情についてこの4点を中心に触れてみたいと思います。
手取りが増えない
公務員の給料は右肩上がりと言われていますが、一定の年齢になると年収は増加しているのに、手取りが増えないということが起こっています。
・額面年収では前の年よりも10万円増加しているが、手取りは変わらない
・基本給は月1万円増加したが、手取りは変わらない
このようなことは、ひと昔前までは、50代半ばの方に場合に起こり得ることだったのですが、今は、30代~40代の職員でもこのようなことが起こっています。
・各種控除の縮小
・社会保険料の増加
・税金の増加
このようなことが主な原因ですね。いくら年収が増えても、引かれる社会保険料や税金が増えれば、手取りは少なくなってしまうということです。
手当・時間外勤務のカット
公務員の手当や時間外労働はひと昔前と比較して大きく減額されています。消防士の観点で言えば、出動手当や夜間勤務の手当ですね。
・救急救命士の特定行為に関する手当
・夜間勤務従事手当
このような仕事の特殊性に関する手当は大きく減額されています。そして、時間外勤務、いわゆる残業手当も非常に厳しいものになっています。
・公務員は定時に帰れる
・公務員はサービス残業がない
世間的にはこのように思われている方もおられますが、そのような時代はすでに過去のものになっています。
・定時に帰れることの方が少ない
・仮眠時間を削って事務仕事をしなければ、仕事が終わらない
このようなことが少なからずあるのですね。
退職金は必ず支給される
公務員は退職金が必ず支給されることになっています。その理由としては、失業手当給付の対象外だからですね。しかし、退職金自体は年々減額しています。
・定年退職して退職金は3,000万円
・退職控除を使い切れない額が支給される
現在において、このようなことはありえないと言ってよいですね。公務員の退職金は年々減額しており、退職金だけで年金受給まで乗り切ることは難しいと考えておくべきです。
・40年以上働いて1,800万円~2,000万円
職種や地方自治体の状況によって異なりますが、地方都市の一般的な退職金の水準はこの範囲内です。非常に高額であることに間違いはありませんが、退職金と厚生年金で老後は安泰とはいかないのが、公務員の退職金事情です。
役職定年
民間企業でも採用されている定年制度の役職定年は公務員でも取り入れられています。
・管理職は一定の年齢になると役職を退いて職場に残る
・役職を退いたため、給料は減額される
役職定年とは、このような制度ですね。年齢を重ねた職員の役職が高ければ、組織にとって一定のデメリットがあるからです。
・役職に応じた高い給料
・若年職員が管理職になれない
・役職の負担が大きい
組織のこのようなデメリットを解消するための制度が役職定年制です。公務員では段階的に役職定年制が取り入れられており、現在は55歳での役職定年が目安となっています。
組織にとっては役職定年はメリットが大きいのですが、個人にとっては金銭的に打撃を受けることになるということです。
・55歳以降は給料が減額される
・退職金も減額される可能性がある
少なく見積もっても、生涯年収で3,000万円は減額されることになるということです。
YOHの考え
今回は公務員の給料事情について触れてみました。
・手取りが増えない
・手当・時間外勤務のカット
・退職金の減額
・役職定年
公務員の給料形態でこの4つのトレンドは避けることができません。
・公務員だから給料は安泰
・公務員だから退職金と厚生年金で老後は安泰
このような時代はすでに終わりを迎えているということです。
・普通の生活
・普通の支出
・普通の貯蓄
このようなことをしていれば、金銭的に難しいことになっていくということです。そして、金銭的に難しくなるのは、老後だけではなく、現役世代の時にも訪れるということです。
・55歳で役職定年(給料は50%OFF)
・定年退職は70歳
・退職金は45年以上働いて1,000万円
・再任用で75歳まで働く(再任用時の給料はさらに50%OFF)
私は、公務員の給料事情はこのようになると考えています。ずばり言ってしまえば、普通に生活していれば、働いている間も金銭的に苦しくなるということです。
・4,000万円の住宅ローンを組む
・車は400万円の新車をフルローン
・月の貯蓄は3万円
・資産運用はしない
これを普通と考えている公務員世帯は少なからずあるのですね。このようなことは悪いことではありませんが、普通かどうかはよく考える必要があるということです。
公務員が一生安泰というのは、完全に時代遅れの考え方となっているということです。生活に困窮しないためには、周りと異なることをする必要があるということです。
・資産運用
・節約
このようなことは、ちょっと考え方を変えるだけで誰にでもすることができます。特別なスキルや多くのお金は必要ありません。これらをすることで、いきなりお金が増えるわけではありません。
しかし、お金をたくさん持つことではなく、お金の目途がつくことで、将来の不安は無くなるのですね。
お金の不安を無くすためには、しっかりと現状認識をして、お金と向き合うことが大切だと私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。
消防士の給料についてはこちらで記事にしています。
消防士や公務員の一般的な人生設計はこちらで記事にしています。
公務員が一生安泰というのは過去のものですね。