YOH消防士の資産運用・株式投資

消防士の資産運用、株式投資、仕事について紹介しています。

公務員・会社員が長生きリスクに備えるためにすべきこと

リスクとは

 リスクと言う言葉は一般的に危険度を表す言葉ですが、資産運用で使われる場合は、少々意味合いが異なります。最も日本語して近い表現は「振れ幅」と私は解釈しています。

 ・この会社は給料はいいが倒産するリスクが高い

 ・FX取引はリスクが高い

 資産運用ではリスクという言葉はこのように使われています。そして、一般的にリスクは確実な予想をすることができません。そのため、最悪の事態を想定した保険をかけておくことが、様々な物事に対して行われます。

 ・消火活動の際に、バックアップ要員を多めに配置しておく

 ・救急事案で通報内容から容態が不明なら、AEDと酸素を携行して現場に向かう

 消防活動ではリスクに対してこのようなことをしています。こう考えると、一般的に使っているリスクと資産運用で使っているリスクとは、内容が全く異なっています。

 そして、近年、長生きすることがリスクだと言われることがあります。長生きしたいというのは、誰しもの願いであり、希望でもあります。しかし、資産運用で使われるリスクで考えると、長生きにはリスクが伴うということです。

 今回は、資産運用で使われるリスクの長生きすることのリスクについて考えてみたいと思います。

日本人の平均寿命

 日本は世界屈指の長寿国ですね。

 ・男性 81歳

 ・女性 87歳

 厚生労働省が発表している日本人の平均寿命はこのようになっており、年々増加しています。

 ・世界屈指の治安の良さ

 ・社会保険の充実

 ・医療の発展

 このようなことが、日本の平均寿命が伸び続けている理由ですね。専門家の意見では今の30代~40代は3人に1人が100歳まで生きることができると言われています。

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出典 厚生労働省ホームページ

長生きリスク

 近年になって、長生きリスクという言葉が使われるようになりました。長寿化によって、長く生きれば生きるほど、老後資金が枯渇するリスクが高くなるということです。

 これは、高齢者だけの問題かと言えば、そうではありません。

 ・介護費用の増加

 ・社会保険料の増加

 高齢者を支える側である、現役労働者にとっても長生きリスクはこのような影響をもたらします。

 健康的に長生きするというのは、非常に喜ばしいことなのですが、日々の生活を営んでいる以上、ランニングコストがかかります。

 ・食費

 ・日用品費

 ・光熱費

 ・住居費

 これらは生きていく以上、誰にでもかかる費用です。そして、このランニングコストがいつまでかかるのかは、本人を含めて誰も予測することができないのですね。

 ・60歳で持病が多いからあと10年しか生きられない

 ・80歳で健康だからあと10年は生きられる

 このようなことは誰にもわかりません。そして、多くの方は70歳前後で労働して給料をもらうことが難しくなります。

 ・肉体の衰え

 ・費用対効果

 このようなことがあるからですね。なので、多くの人は65歳から年金受給をして、年金を頼りに老後生活を送ることになります。その、65歳からいつまで生きるかわからないことが、長生きリスクなのです。

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出典 マイナビニュース

公務員・会社員が長生きリスクに対する備えとは

 長生きリスクを金銭的な視点から見ると、かかる費用を確実に予想することはできません。

 ・わからないのなら、最悪の事態を想定してマージンを取っておく

 長生きリスクに備えるためには、通常のリスクと同様に厚めのマージンを取っておく必要があるということです。そして、全ての人は、長生きリスクに対してある程度のリスクを取ることができています。

 ・国民年金

 ・国民健康保険

 ・厚生年金

 ・健康保険

 長生きリスクはどれだけ費用がかかるかわからないので、費用に関しては死ぬまで保障される終身型で用意することが最も効率的です。それが、年金と医療保険ですね。

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出典 ALLAbout20th マネー

 ・国民年金 年間78万円

 ・厚生年金 年間120万円(年収600万円の場合)

 これをベースに足りない分を自分で工面すればよいということです。

 ・預貯金

 ・リスク資産

 ずばり言ってしまえば、これらで工面する必要があるということです。公務員・会社員の夫婦世帯で考えてみます。

 ・年間支出 300万円

 ・年金 276万円(夫、年収600万円で退職、妻専業主婦)

 ・不足額 24万円

 65歳から年金受給して夫婦が85歳まで生きるとすると、60歳から65歳までの生活費1,500万円と、年金受給後の20年間で480万円が不足することになります。約2,000万円を現役時に用意しておく必要があるということです。

 60歳から65歳まで働くことを考えれば、1,500万円は不要なので、480万円用意すればよいということですね。

 現役時に480万円用意するだけで老後資金が賄えるのであれば、多くの方が長生きリスクに対する備えは難しくないのですが、実際にはもっと多くのお金を用意する必要があります。

 ・年金受給額の減少

 ・年金受給年齢の増加

 これらの要因があるからですね。そして、この2つのことはリスクではなく、ほぼ確実に発生することなので、前もって準備しておく必要があるということです。

 ・厚生年金14万円(夫婦で年間200万円の年金受給)

 ・年金受給年齢70歳

 ・役職定年制によって、55歳から給料は減額(月に手取り20~25万円)

 ・インフレによる物価上昇

 ・社会保険料の増加、増税による可処分所得の減少

 これらのことを考えると、老後にいくら必要なのかはバチッと計算することはできません。しかし、今考えられている2,000万円では確実に不足するということです。

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健康に生きることにはお金が必要。長生きリスクに対して完全に備えることはできない。

YOHの考え

 長生きリスクとは、主に高齢者の問題と考えられていますが、実際に長生きリスクに最も備えなければならないのは、現役労働者世代です。

 ・預貯金

 ・年金

 今後の日本では、これらで長生きリスクに備えることは、ほぼ不可能といってよいですね。預貯金は圧倒的な額があれば可能かもしれませんが、インフレに対して弱いのが特徴です。

 ・預貯金

 ・リスク資産

 現役世代から、この2つで長生きリスクに備える必要があると私は考えています。そして、これ以上に大切なのが、生活費を抑えることです。

 日々のランニングコストが高ければ、長生きリスクに対する備えは大きくする必要があります。

 ・年間支出250万円 30年で7,500万円

 ・年間支出350万円 30年で1億500万円

 年間支出の差で用意する金額が大きく変わってきます。私の考えになりますが、年間100万円の支出差で生活の質が大きく変わることはありません。

 生活費を抑えることは、長生きリスクに対する一番の備えだと、私は考えています。

 ・生活費を抑える

 ・預貯金をする

 ・リスク資産に資産投下する

 現役時から、長生きリスクに対して保守的な金銭感覚を持って、この3つをバランスよく考える。これが、長生きリスクに対しての備えだと、私は考えています。

 もちろん、健康でいることが一番大切です。健康とお金で人生における優勢順位を考えた場合、健康が上回っていることは、言うまでもありません。しかし、肉体的にも精神的にも健康でいるためには、ある程度のお金は必要なのは間違いないというのが私の考えです。

 ご覧いただきありがとうございました。

私の資産運用目的は老後資金の捻出です。これについては、こちらでも記事にしています。

fire-money.hatenablog.com

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 老後の生活の柱は年金です。年金制度はGPIFとマクロ経済スライドによって崩壊することはないと考えています。

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