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【口座数が増加している】ジュニアNISAを使った方がよい世帯とは

 

ジュニアNISAの口座数増加

 2022年に入ってからジュニアNISA口座の開設数が増加していることが話題になっています。昨年の6月時点では57万口座だったのが、2021年12月時点で72万口座と15万口座も解説数を増やしています。

出典 読売新聞

 ジュニアNISAは2016年から制度が運用が開始されましたが、2019年時点での口座数は35万口座にとどまり、一般NISA口座の100万口座ほどの人気が出なかったことから2020年度税制改正大綱で2023年末に制度の廃止が決定されました。

 人気が出なかった理由は「制度として使いにくい」ということが一番の原因です。しかし、廃止が決定されてからの制度変更に伴って、使い勝手がよくなり、口座数が増加しているという何とも皮肉な制度です。

 今回は、ジュニアNISAの概要と制度変更に伴い使いやすくなった変更点、どの世帯がジュニアNISAを使えばよいかについて触れてみたいと思います。

ジュニアNISAについて

 ジュニアNISAは未成年のこどものために非課税で投資する制度です。制度の狙いは株式投資による教育資金の捻出です。

 ・0歳~19歳

 ・非課税投資枠 最大400万円(1年80万円×5年間)

 ・投資期間 2016年~2023年

 ・投資対象は投資信託や株式

 このような概要で創設されました。NISAやつみたてNISAのこども版ですね。非課税枠は最大で400万円ですが、非課税期間が最大で20年間あるので、非常に税制優遇された制度です。

 ・5年間で400万円をジュニアNISAで積み立て

 ・20年後に積み立てた400万円が800万円になる

 ・含み益の400万円は20%の課税がされずにそのまま受け取ることができる

 ・非課税で得た金額は80万円

 

 20年という長期投資前提なので、含み益が出やすく、積立金の使用目的も明確なので、貯蓄や学資保険よりも税制面でメリットの多い制度でした。

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出典 金融庁 ジュニアNISAの概要

ジュニアNISAは廃止されることが決まっている

 税制面で優れているジュニアNISAですが、子育て世帯にはあまり浸透せず、2023年末に廃止されることが決定しています。

 ・投資資金は18歳まで資金拘束される

 ・途中解約すれば、含み益に対して遡って課税される

 このような大きなデメリットがあり、多くの世帯では税制優遇のメリットよりも資金拘束のデメリットが大きいと判断されて、口座開設数はそれほど伸びませんでした。

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出典 NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査

 2021年6月時点の口座開設数は57万口座とNISA口座の1,273万口座と比較すると、大きな差がありますね。それほど人気が出なかったということです。夫婦とこども2人の4人世帯でNISAとジュニアNISAをフル活用しようとした場合、大きな金額が必要となります。

 ・NISA 夫婦で年間120万円

 ・ジュニアNISA 2人で年間160万円

 同時に活用すると、年間280万円の積み立てをする必要があるということです。多くの世帯ではこれだけの資金を捻出することができないため、ジュニアNISAで教育資金を捻出することが難しく、世間には浸透することなく廃止されることとなりました。

廃止決定後はデメリットがなくなる

 ジュニアNISAは2023年末で廃止され、2024年からは積み立てができなくなりますが、払い出し制限がなくなります。

 ・2016年から2023年の間は年間80万円の投資が可能

 ・こどもが18歳になるまでは払い出しができない

 これが現在のジュニアNISAですが、制度廃止に伴い、払い出し要件が変更されます。

 ・2023年までは投資可能(あと2年間)

 ・2024年以降はこどもが18歳になるまで非課税運用が可能

 ・途中で解約しても、含み益に課税されることがない

 このように、一番のデメリットであった資金拘束と途中解約の課税がなくなり、非常に使い勝手のよい制度となりました。ここに魅力を感じる方がジュニアNISAの利用者数の増加に繋がっているということです。

今年からジュニアNISAをはじめるとどうなるか

 2022年からジュニアNISAをはじめると、積立期間は2年間となります。

 ・2022年・2021年で総額160万円(こども1人につき)

 ・160万円を18年間非課税で運用し、320万円になる

 ・含み益の160万円には課税されず、そのまま受け取れる

 ・特定口座なら課税される32万円分の税制優遇を受けたことになる

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出典 金融庁 ジュニアNISAのポイント

YOHの考え

 廃止決定によって、使い勝手がよくなったことによって、口座開設数15万以上が伸びたという皮肉的なジュニアNISAですが、全ての子育て世帯に利用価値があるかと言えば、そうではありません。

 ・こどもが8歳以上

 ・他の非課税枠を満額投資できていない

 

 私がこのような立場であれば、ジュニアNISAは使いません。こどもが8歳を超えていると、非課税期間は10年以下となり、株式の長期投資と考えると短いということと、つみたてNISAやiDeCoの方が長期投資の観点からは優れているからですね。

 ・こどもが3歳未満

 ・非課税枠を夫婦で埋めており、さらに資金に余裕がある

 私がこのような立場であれば、ジュニアNISAは今年からはじめます。長期でこども1人につき、2年間で160万円のジュニアNISAの非課税枠を使うことをできるからですね。

 私の世帯では、ジュニアNISA枠は満額使い切っています。株式投資なので、どのようになるかは分かりませんが、15年以上の長期投資なので、ある程度の含み益は出て税制優遇を受けられるのではと考えています。

 今年からジュニアNISAをすれば、満額で160万円、大きく増えても元本の2倍ほどと考えておくことがよいですね。(リスクをとった上場株式なら10倍以上になる可能性がありますが)

 ジュニアNISAは18歳での払戻を想定していることから、大学教育のための資金とすることが目的に制度化されていると考えてよいですね。そう考えると、ジュニアNISAで大学教育の資金を全て賄うことは難しいですね。

 ・大学教育資金の一部

 ジュニアNISAはこのように考えて、ほかにある程度の大学教育の資金は捻出しておく必要があるということです。それは、すでのジュニアNISAを利用しており、満額400万円を投資している方にとっても同じです。

 ・ジュニアNISAで大学教育資金の備えは万全

 このように考えることは難しいということです。こどもの教育資金はいくらかかるかわかりません。国が容易してくれている制度を使いつつ、備える必要があるのですね。

 ご覧いただきありがとうございました。

 長期投資としてはつみたてNISAの方が使い勝手がよいですね。

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 教育資金に対する考え方はこちらです。

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 学資保険についてはこちらです。基本的に学資保険は不要です。

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