副業について
今の働き方のトレンドとして言われているのが本業以外の収入源を得るということです。
・正規職員として働いていても給料が増加しない
・物価高など生活のランニングコストが上昇している
・社会保険料、税負担が大きくなっている
この労働者でこのようなことを感じていない方は非常に稀ですね。そして、これは非常に深刻な問題です。
その問題を解決する方法が株式投資などの資産運用ですが、資産運用をするためにはある程度の元手が必要です。
しかし、その元手を作ることができなければ、資産運用のスタートラインにすらつけないということです。
・手取りの給料では月々の生活でいっぱいいっぱい
・ボーナスで生活費を補填している
このような状況から抜け出すことが難しいということです。そのため、本業以外で収入を得る副業という選択肢を取る方が多くなっています。
副業に取り組むということは素晴らしいことですが、行うにはそれ相応の知識が必要です。そして、知識が不足したまま副業を行うと思わぬトラブルを招いてしまう可能性があります。
・人生が終わる可能性がある副業について
・副業をするために大切なこと
今回はこの2点について考えてみたいと思います。
人生が終わる可能性がある副業
結論から言えば、人生が終わる可能性がある副業とは「せどり」です。
・海外からの輸入製品を安く大量に仕入れる
・ネットで店舗を構えて販売する
具体的に言えばこのようなが意外輸入品を売買するせどりです。私はこのような副業をしている方で非常に危うい立場に置かれている方を仕事上で見たことがあります。
その危うい立場になる大きな理由は、輸入して販売した商品で購入者などが被害を被った場合、責任を負う必要があるからです。
・怪我をした
・ものが傷ついた
・風評被害を受けた
このような場合、民事、行政罰などの責任を負う必要があるということです。
実例紹介
このような輸入業者で非常に危うい立場になった実例として私が知っているのは、海外製品を安く大量に仕入れてネット販売していた輸入業者の商品が原因で火事になったケースです。
火事の原因としては、モバイルバッテリーが突然爆発して住宅火災となって、家が燃え、住んでいた方が怪我をしたという事例です。
私は救急車で出動して、怪我をした方を病院搬送しました。
・ネットで安く売っていたのを購入して使っていた
・いきなり爆発するとは思わなかった
怪我をされた方はこのように話をしていました。そして、火事が起こった場合、消防組織として火災の原因調査を行います。
原因調査の結果として、製品が起因する火災であれば、その製品を製造、輸入している事業者に協力を求めて製品の不具合を検証する必要があります。
・使用者の使用方法に問題があったから火事が起こった(想定を超える使い方、改造など)
・製品自体に問題があったから火事が起こった
この2つのどちらであるかを調べる必要があるからですね。そして、製品に問題があった場合、輸入業者には大きな責任が伴います。
この図のように、日本国内の製造物であれば、製造物責任法によって責任を負うのは製造業者です。
しかし、海外の製造されたものを日本国内で販売した場合、海外製造者が責任を負うということはまずありません。
・日本の法律に適合しているかの確認は輸入業者の責任
・海外の製造業者が日本の適合基準を調べることは困難
このような理由から、輸入製品の事故に関しては輸入業者が全責任を負うことになります。
私が知っているモバイルバッテリーで火事になったケースでは、製品評価技術機構(通称:NITE)との合同調査によって製品に致命的な欠陥が確認されて、消費者庁からリコールが出されることになりました。
その後、ネット販売していた輸入業者の方がどのようになったのかはわかりません。
・立ち入り検査
・輸入製品の回収命令
・1億円の罰則
このような状況になっている可能性は十分にあるということです。
YOHの考え
今回は、人生が終わる可能性がある副業について実例を交えて紹介させていただきました。
人生が終わる可能性がある副業とは「海外製品を輸入販売するせどり」です。
・日本製なら3,000円のものが海外輸入製品なら1,000円で仕入れることができる
・1,000円で仕入れて2,000円で売れば1,000円を稼ぐことができる
このような海外製品を輸入して販売する副業は非常に危険だということです。もちろん、このような副業が全てにおいて危険だということではありません。
・法律を熟知している
・トラブルがあった場合の対処方法が確立されている
・輸入製品自体の安全性を独自に調べ上げている
このような形で行うのであれば、問題はそれほどありません。しかし、それほど知識がないまま、安易に副業として行ってしまうことは非常に危険だということです。
損害賠償請求や自主回収などはお金や時間をかけて謝罪すれば解決することは可能でしょう。
しかし、輸入販売した製品が原因で人が亡くなるような火事が起こった場合、お金や謝罪では解決することはできません。
状況によっては、生涯をかけて償う必要があるということです。そういったことを考えれば、副業によって人生が終わってしまう可能性があるということです。
現在は、SNSやマスメディアなどで、多くのインフルエンサーが副業をするように進めています。そして、その流れはますます加速しています。
私は副業自体はよい取り組みだとと考えています。しかし、取り組むからには、本業と同様に深い知識と経験が必要だと考えています。
・それほど考えることなくはじめる
・周囲がやっていて儲かっていそう
このような考えでやるべきではないということです。会社でトラブルが起こった場合は会社が対応してくれますが、個人で副業を行う場合、トラブルには自分だけで対応する必要があります。
副業を行うには、そのような覚悟を持ってする必要があります。副業で得る副収入は人生を豊かにするための大きなものであることは間違いがありません。
しかし、何となく、安易に行うことは人生を豊かにするどころか、人生が終わってしまう可能性があるということを頭に入れておく必要があるということです。
ご覧いただきありがとうございました。
私も副業に誘われて危ない目に遭いそうになりました。不動産関係の副業です。
副業収入の税負担の変更についてはこちらで記事にしています。どのようになるかはまだ不透明ですね。
会社員や公務員は資産形成上不利な立場にいることは間違いがありません。その立場を考えて副業を行う必要があるということですね。