配当金再投資
株式が資産形成において優れているところは、保有しているだけでお金を生み出してくれるところです。
・インカムゲイン・・・配当金や利子などによって得ることができる利益
・キャピタルゲイン・・・売買益によって得ることのできる利益
株式で得ることの利益はこの2つがありますが、保有しているだけで得ることができるのはインカムゲインですね。そして、インカムゲインには様々な使い方があります。
・家計負担額の一部として使う
・贅沢費に使う
・再投資に充てる
このような使い方がありますが、私が最もよい使い方だと考えているのは「再投資に充てる」という使い方です。
・インカムゲインを再投資に充てた方がよい理由
・インカムゲインを投資に充てなくてもよい場合とは
今回はこの2点について触れてみたいと思います。
インカムゲインを再投資に充てた方がよい理由
インカムゲインを再投資に充てた方がよい理由は主に2つあります。
・複利と節税効果を最大限活かすことができる
・投資対象の価値が上昇すれば、さらに複利効果が大きくなる
この2つがインカムゲインを再投資に充てた方がよい理由です。順番に触れていきます。
複利と節税効果を最大限活かすことができる
インカムゲインを再投資に充てた方がよい理由のひとつ目は、「複利と節税効果を最大限に活かすことができる」ということです。
・保有株式の金額 100万円
・運用期間 20年間
・運用利回り 3%
このケースで運用した場合、運用期間終了後にはインカムゲインを再投資した場合としなかった場合では、資産額には大きな差が出ます。
図にするとこのようになりますね。20年後には、配当金再投資の場合は資産額が175.3万円になっていますが、そのつど配当金を受け取った場合は145.4万円にしかならないということです。(45.4万円を現金として受け取っているということです)
おおよそ30万円の差が出ていることがわかります。これは、複利効果と課税による差が出ているということです。再投資をすれば、3年目以降は利回りの3%以上の割合で資産増加していきます。しかし、都度受取をしていれば、利回りの3%から20.315%を引いた額分しか増加していかないということです。(3万円の場合は約2.3万円になりますね。)
このように、資産増加という面でインカムゲインを再投資することは資産の最大化を考える上ではかかすことができないということです。
投資対象の価値が上昇すれば、さらに複利効果が大きくなる
インカムゲインを再投資に充てた方がよい理由の2つ目は、「投資対象の価値が上昇すれば、さらに複利効果が大きくなる」ということです。
・保有株式の金額 100万円
・運用期間 20年間
・運用利回り 3%
※保有株式は年間5%ずつ価値が上昇
先ほどの条件に「保有株式の価値の上昇」を加えて、インカムゲインを再投資した場合と都度受取の場合で考えてみます。
この場合、20年後は配当金を再投資した場合と都度受取の場合では、投資対象の価値が上昇していない場合と比較してさらに差が出来ていることがわかります。
・配当金再投資・・・304万円
・都度受取・・・263万円(20年間で合計68万円を配当金として受取)
このように投資対象の価値が上昇した場合は、資産額に41万円の差が出ていることがわかります。
各年ごとの金額の推移を見ていくとこのようになりますね。はじめは少なかった差が年が経つに連れて大きくなっているということです。
YOHの考え
インカムゲインを再投資することについて、具体的な金額を基に考えてみました。
・保有株式の金額 100万円
・運用期間 20年間
・運用利回り 3%
この条件の場合、20年後の資産額に30万円の差が出ています。そして、保有株式の価値が年間5%ずつ上昇する場合は、40万円の差が出ることになります。都度受取の場合と比較すると、資産増加効率が非常によいことがわかります。
これは1年目に100万円分の株式を購入して放置した場合なので、積立投資を行った場合は、この金額とは比較にならないほど差は広がっていくということです。
私自身は資産運用のインカムゲインは全て再投資に使っています。
・生活費の足しにする
・贅沢に使う
このようなことには使っていないということです。それは、株式投資を効率よく資産増加させるための手段として捉えているからですね。何よりも優先されるのが資産増加効率で、生活費や贅沢費は給料で賄うのが本質的だという考えです。
しかし、実際にインカムゲインは全て再投資に充てるというのは、個人の考え方によっては意見が分かれるところですね。
・配当金を足しにして、家賃が高いところに住むことができる
・配当金で旅行費用を賄う
このようなインカムゲインの使い方は言うまでもなく素晴らしいことです。そのため、再投資と都度受取のどちらを選択するかは人それぞれだということです。しかし、再投資と都度受取でどの程度、資産増加額に差が出るかは数字で確認しておく必要があります。
・自分の資産運用状況で配当金を再投資した場合
・自分の資産運用状況で配当金を都度受取した場合
この2つの差を数字で確認して、納得がいくのであれば都度受取を選択肢して生活費や浪費に使ってもよいということです。
・配当金は贅沢に使うと決めている
・不労所得まで資産運用に使ってもしょうがない
このような感情だけで判断をすることはイマイチだということです。資産運用で大切なことは、しっかりと数字とエビデンスを交えて確認を行うことです。特に、長期的な金額の推移というのは感覚的なものとは比較にならないほど乖離することがあります。そのひとつがインカムゲインの再投資と都度受取です。
インカムゲインは再投資するのが最も資産増加効率がよく、おすすめできますが考え方は人によって異なります。どちらが正解だということはありませんが、自分に合った方法は自分で見つける必要があるということです。
ご覧いただきありがとうございました。
私は高配当株投資を行っていませんが、その理由のひとつがインカムゲインを再投資しにくいということです。
インカムゲインを再投資するのに最も適している金融商品は投資信託ですね。その中でもSBI・Vシリーズは非常におすすめです。
非常に大きな金額を投下している年金についても数字でしっかりと確認しておく必要がありますね。感覚や気持ちと数字は乖離していることが多々あります。