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【個人金融資産2,000兆円】インベスト・イン・キシダ発言について思うこと

インベスト・イン・キシダとは

 岸田文雄総理は4月29日から9日間の日程で東南アジアとヨーロッパの計6か国の外遊に出ていました。

 その中の最終外遊先であるイギリスでの発言が投資家の中で注目を浴びています。内容としては、自らの経済政策である「新しい資本主義」を訴えて、日本市場に資金流入を促すためのメッセージです。

 ・人への投資

 ・科学技術、イノベーションへの投資

 ・スタートアップ投資

 ・グリーン、デジタルへの投資

 新しい資本主義はこの4つを柱として掲げています。その中で欠かせないのが、貯金から投資へのシフトです。

 ・日本の個人金融資産は2,000兆円

 ・このうち半分は貯蓄や現金で保有されている

 ・個人資産を流動させるために資産運用するための仕組みを作る

 岸田総理はスピーチの中で新しい資本主義として所得倍増計画を掲げて、このような発言をしました。そして、日本に安心して投資をして欲しいとの思いを込めて「インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」というフレーズを使いました。

出典 ヤフーニュース

日本に外国からの資金流入を増やす必要がある

 この「インベスト・イン・キシダ」について、国内外の多くの投資家は冷ややかな見方をしています。スピーチ後の5月6日の日経平均が185円高となっていることに留まっていることからも、大きな影響を及ぼすことはなかったと言ってよいですね。

 もちろん、「インベスト・イン・キシダ」は外国からの短期的な資金流入を目的としているわけではありません。個人金融資産を投資資金に流入させるので、これからは日本市場に積極的に投資資金を流入させて欲しいというメッセージです。

 しかし、どのような対策をするのかと言った具体的な政策については言及されていません。

 日本に外国資金が流入しない原因としてはドルベースだとマイナス成長の国であることが挙げられます。インデックス投資をはじめとする長期投資は大前提として、資産投下対象を強い通貨を持つ国とすることです。

 ・経済成長をしない

 ・基軸通貨が弱い

 このような国には多くの投資家は投資することはありません。そして、外国からの資金流入がなければ、日本人が自国に資産投下しても資産増加させることは難しいということです。

 日本はホームカントリバイアスを含めて日経平均を見ても、長期的に積極的に資産投下したいとは思いません。そのため、個人金融資産が2,000兆円と膨れ上がっているということです。

出典 Googleファイナンス 日経平均株価

個人金融資産を投資に向けるには政策が必要不可欠

 貯蓄や現金などの個人金融資産が2,000兆円あるというのは、非常に大きな可能性を抱えていることは間違いありません。

 しかし、その資金を投資に向かわせるというのは簡単なことではありません。

 ・個人金融資産の多くは高齢者が抱えている

 ・貯金、現金信仰は根深い

 このようなことが理由として挙げられます。

出典 総務省統計局 2019年全国家計構造調査

 総務省統計局の2019年全国家計構造調査を見ても、金融資産を最も多く保有しているのは65歳以上の高齢者世帯です。そして、金融資産の60%ほどが預貯金となっています。

 個人金融資産2,000兆円を預貯金から投資にシフトするためには、この部分をどのように投資にシフトチェンジさせるかということが大きな課題だということです。

今の状態ではインベストする投資家は非常に少ない。国が主導する大きな政策が必要。

YOHの考え

 岸田文雄総理の「インベスト・イン・キシダ」発言は国内外からの投資家からは非常に冷ややかな目で見られています。その一番の理由は政策部分が不透明だからですね。

 ・日本の個人金融資産は2,000兆円ある

 ・日本は経済発展の余力が十分にある

 ここに関しては国内外の投資家も概ね同意見で、非常に魅力的であるのですが、「だから安心して投資をすることができる」とはならないということです。

 ・個人金融資産2,000兆円を株式市場に流入させる手段

 ・経済発展させていくための具体策

 このようなことが無ければ、投資家としては資産投下しにくいというのが私の印象です。

 ・金融資産が潤沢にある高齢者が積極的に株式投資に資金流入させる手段がある

 ・日本企業を大きく発展させるような経済政策を打ち出している

 このようなことがある程度見えていないと、安心して投資することはできないということです。そのような視点で見れば、「インベスト・イン・キシダ」はどこかずれているような感じを覚える、というのが投資家としての印象です。

 しかし、金融資産所得課税を打ち出すなど、金融資産所得に対して消極的立場を取っていた岸田総理からこのような積極的な発言が出ることは投資家にとってはプラス材料になることは間違いありません。

 今後、どのような金融政策を打ち出すのかはわかりませんが、私自身は期待をしています。ご覧いただきありがとうございました。

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