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【確定申告の超基本】ふるさと納税の控除額について

ふるさと納税

 多くの人が取り組める節税として大変人気があるのがふるさと納税です。

 ・税金の還付、控除を受けることができる

 ・実質2000円負担で返礼品を受け取ることができる

 この2点から大変人気がありますね。返礼品は食品や日用品、地域の特産品など様々なものから自由に選択することができ、多くの家計で助けになっています。

 しかし、デメリットとしては、税の還付、控除の申告を自分でしなければならないということです。

 ・寄付自治体が5自治体以下ならワンストップ特例

 ・寄付自治体が6自治体以上なら確定申告

 このどちらかをしなければなりません。国内株式を保有している方であれば、配当控除や損益通算のために確定申告するケースと同じなので手間にはならないのですが、ふるさと納税だけだと、確定申告することをハードルが高いと感じる方は少なくありません。

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出典 総務省 ふるさと納税ポータルサイト

ふるさと納税をした同僚との会話

 ふるさと納税をした同僚と話をしていると、還付金の話になりました。その際に、還付金について疑問と不満があるようでした。

 ・ふるさと納税のために確定申告したけど、還付金が1.8万円しかない

 ・9万円使ったんだから、9万円返ってくるんじゃないの

 このような疑問をおっしゃられていました。そして、他の方とも話をしてもふるさと納税の還付や控除の仕組みを理解している方は多くない、という印象を受けました。

 確かに、総務省のホームページを見ても、ふるさと納税の還付や控除の仕組みは複雑で分かりにくいと感じます。

 ・例外的な条件の場合、計算が非常に複雑

 ・自分が例外に当てはまるのかわからない

 複雑と感じる理由はこのようなことが挙げられます。しかし、公務員や会社員であれば、例外はほとんど当てはまらないといってよいですね。

 そして、制度を理解するためには、税の知識が欠かせません。

 ・ふるさと納税の控除額について

 ・所得税の控除額

 今回はこの2点を中心にふるさと納税の還付や控除を考えてみたいと思います。

ふるさと納税の控除額

 私の同僚に限った話ではないですが、ふるさと納税の納税額=還付額と考えておられる方は少なくありません。

 その誤解は「実質2000円で返礼品をもらうことができる」というキャッチフレーズによるところが非常に大きいですね。

 しかし、実際に確定申告やワンストップ特例を申請しても、納税額全てが還付申請によって戻ってくるわけではありません。

 確定申告をして、還付金が少ないのは、ふるさと納税の控除の大部分は住民税だからですね。確定申告によって、全てが還付されるわけではないのですね。

 ※ワンストップ特例の場合は全て住民税からの控除となります。

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 平均的な給与所得者の場合、ふるさと納税の控除のイメージはこのようになります。

 確定申告で還付される金額は寄付額の20%だけということです。残りの80%は住民税として、翌年の6月から月割で控除されることになります。そのため、手元に残らず、控除を受けている実感がないということです。

 ・年収 650万円

 ・課税所得 340万円

 ・ふるさと納税額 9万円

 このモデルケースで各部分の控除額を確認していきます。

所得税の控除

 所得税の還付で大切なのは課税所得率です。モデルケースの場合、課税所得は340万円なので、税率は20%になります。

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出典 国税庁 所得税の税率

 ふるさと納税額から2,000円を引いた額に所得税率をかけたものが、所得税の控除額となります。図にするとこのようになります。

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 ・(9万円-0.2万円)×20%(所得税率)=1.76万円

 ※本来は復興特別所得税をかけるが今回は割愛します

 この1.76万円が確定申告によって還付される金額ということです。残りは住民税によって控除されます。

住民税の控除(基本分と特例分)

 ふるさと納税の住民税の控除は基本分と特例分に分けられます。まずは基本分を確認していきます。

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 住民税の基本分の控除はこのような式で計算することができます。

 ・(9万円-0.2万円)×10%=0.88万円

 モデルケースの場合、これが住民税の基本分の控除となります。続いて、特例分を確認していきます。

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 特例分の計算方法はこのような式で計算することができます。

 ・(9万円-0.2万円)×(100%-10%(住民税率)-20%(所得税率)

 ・8.8万円×70%=6.16万円(復興特別所得税は割愛)

 モデルケースの場合、住民税の特例分によって、6.16万円が控除されることになります。

 この住民税の特例分による控除が最も大きいということですね。

モデルケースの場合の控除額

 ・所得税 (9万円-0.2万円)×20%(所得税率)=1.76万円

 ・住民税基本分 (9万円-0.2万円)×10%=0.88万円

 ・住民税特例分  8.8万円×70%=6.16万円

 ・合計8.8万円

 モデルケースの場合、8.8万円が控除されることになります。しかし、実際に手にすることができるのが、所得税分の1.76万円なので、少なく感じるということですね。

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全てを覚えておく必要はない。ザックリとした仕組みを理解していればよいということ。

YOHの考え

 公務員や会社員にとって、税金というのはそれほど馴染みのあるものではなく、確定申告やふるさと納税の控除にしても複雑に感じてしまいます。

 しかし、自分に関係する箇所だけを理解することは、それほど難しいことではありません。

 ・自分に関係のない箇所は学習しない

 ・自分に関係のある箇所もザックリとした知識だけを付けておく

 私は税金や社会保障については、このように考えています。自分に関係する機会が訪れたのなら、その際に新しく学習すればよいと考えています。しかし、全くの無理解で制度を利用することはおすすめしません。

 ・課税所得

 ・所得税率

 ・住民税

 ふるさと納税の控除について、疑問や不満を感じていた同僚はこのようなことへの理解が欠けていたということですね。

 基本的な知識が無ければ、本当に控除されているのかの確認が出来ずに、思わぬ損をしてしまう可能性があるということです。

 せっかく、ふるさと納税という節税に意識が行っているのに、それではもったいないというのが私の考えです。

 ザックリとした知識があれば、間違いがあった時に違和感を感じやすいですし、新たな知識を習得するにしても根本理解の速度が早まります。

 ふるさと納税は制度改正されない限り、何十年と付き合うことができる制度です。

 その仕組みと控除を理解することは、必ず資産形成の役に立つと私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。

 公務員や会社員の確定申告として生命保険料控除が挙げられます。

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 住民税申告不要制度も覚えておいて損はないですね。

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 年収1,000万円以下で国内株を保有しているなら、配当控除は必須です。

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