公務員採用試験
公務員になるには公務員採用試験を受験、合格して採用されるというのが一般的です。
・内閣総理大臣
・国務大臣
・市議会議員
このような肩書を持っている方も公務員ですが、これらの方は選挙によって選出される例外的な公務員と言ってよいということです。
大多数が公務員になるには公務員採用試験を受験する必要があります。しかし、公務員採用試験は誰しもに平等に開かれた試験ではありません。
・年齢制限
・日程
・受験会場
このような縛りがあるということです。
これは大阪市の消防職員採用試験の要綱ですが、受験資格で年齢制限がされています。大卒程度であれば22歳~27歳しか受験できないということです。
・30歳を過ぎたが消防職員として働きたい
このような方はどれだけ能力が高くともスタートラインにすら立てないということです。
次に採用試験会場と試験日程の壁があります。
これも大阪市の消防職員採用試験の要綱ですが、採用試験の日時と場所が決まっています。
・日時 令和4年6月19日
・場所 大阪府内
日時や場所が決まっていることは問題ないのですが、公務員採用試験は同じ日時に他の自治体も行うことが多いのですね。そのため、試験日が重なっていた場合、どちらかひとつしか受験することができないということです。
令和4年度で見ても大阪市と神戸市は受験日時が重なっています。政令指定都市の消防組織で働きたいと考えている方はどちらかを選択する必要があるということです。
独自の採用試験をしている自治体について
年齢、受験日時などの制約が大きいことが一般的な公務員採用試験ですが、そのような制約を少なくする取り組みをしている自治体もあります。それが大阪府門真市です。
大阪府門真市は大阪府の中央北寄りに位置しており、大阪市とも隣接している人口11.8万人の地方都市です。
・Panasonic
・タイガー魔法瓶
このような企業の本社があることでも有名です。その門真市の公務員採用試験は一部の試験において年齢と一次試験の日程の要件を大きく緩和しています。
事務職の中でチャレンジ枠(14人採用の内4名分)の受験可能年齢を21~58歳までとしています。受験資格は年齢要件のみで、多くの人が受験することができるようになっています。
受験日も一次試験の教養試験は全国300箇所を用意しており、受験者が都合のよい日に受験することができるようになぅています。
・他の市町村の日程を気にせず受験することができる
・自分の都合に合わせて受験することができる
このような配慮がされているということです。
※注意点としては、2次試験は決められた2日間の内どちらか、最終試験は決められた日程のみとなっています。
採用試験の制約を無くしている理由は様々でしょうが、門真市が公に言っているのは職員の若年化が進んでいるため、経験豊富な層を採用して働いてもらいたいということです。
YOHの考え
公務員採用試験の問題点は年齢制限が著しく厳しいことと、採用試験日時や場所がピンポイントに限定されていることです。そのため、多くの受験者が集まりにくいというデメリットがあるのですね。
多くの受験者がいることと、よい人材を採用できることはイコールではありませんが、受験資格をあまりに狭めてしまうと優秀な人材が受験できないということ避けられません。
地方自治体では職員の人数が条例などで決められており、それよりも多くても少なくてもよくないのですね。
・今年はよい人材がいなかったから採用は無し
・今年はよい人材が多くいたから5人採用だけど10人採用
このようなことはできないということです。退職した人数分だけ補填する方法で新規採用者を増やすしかないということです。
そういった事情の中で門真市のような受験資格の制限を大きく緩和するという取り組みは非常に好感が持てますね。30~50代に優秀な人材はいくらでもいることは明らかだということです。
そして、受験日や受験会場の制約も大きく緩和されていることから、全国から市に合った人材を発掘することもできるということです。その分の手間はかかりますが、メリットの方が遥かに大きいということですね。
・公務員は融通が利かない
・お役所仕事
このように言われる原因のひとつが採用試験が多くの方に開かれていないことだと私は考えています。そして、その指摘は決して間違っていないのですね。門真市のような取り組みが全国のスタンダードになればよいというのが私の考えです。
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